1.水成二酸化塩素(ClO2)とは?

 二酸化塩素は、その強力な酸化作用(塩素剤の2.5倍)によって 制菌/除菌 および 消臭/脱臭 などの働きをする科学物質です。 古くは小麦粉の漂白、そして木材パルプの漂白などに使われたのを始めとして、1944年にアメリカ・ニューヨーク州ナイアガラ・フォールズ市の 水道水処理プラントで「味と臭いの制御剤」として使われ、爾後、アメリカ・ヨーロッパ各国で水道水の処理剤として広く使われるようになった物質です。
 また当製品は、食品等に付着する腐敗菌、バクテリアなどを除菌することで腐敗を抑制し、併せて腐敗などによって発生する臭いを分解・消臭する働きを 持っていることから広く食品業界で使用され、また病院・研究室さらには一般工業界に至るまで広く採用されています。
 このように歴史的な経緯もあり、アメリカおよびヨーロッパの各国ではその使用方法が日本とは比較にならないほど先行しています。我が国においても 食品衛生法による小麦粉改良剤として使用が認められた他、平成7年12月より「食品と接触する機械/器具などの全ての表面への最終サニタイザーとして使用してもよい」 というアメリカ合衆国食品薬品局(FDA)の21CFR178-1010を容認され、さらには平成12年4月より「飲料水の除菌・消毒剤」として追認され、 且つ、平成16年3月より食品添加物(亜塩素酸ナトリウム)として正式に認められ今日に至っています。


2.水成二酸化塩素の用途

 優れた化学物質ではありますが、分子構造上不安定な物質であり、その取扱いが非常に難しい二酸化塩素を「長期間保存」したり「運搬を安全にする」 などのため長年に亘り、研究と経験を積み上げられた製品が「水成二酸化塩素製剤」です。
 この水成二酸化塩素製剤は、我が国でも水道水への添加、また最近亜塩素酸ナトリウム溶液として食品添加物の認可を受けている他、「動物用医薬部外品」、 「動物用医薬品」あるいは「洗口剤」としてそれぞれ認可を受けて販売されておりますが、アメリカおよびヨーロッパでは「洗眼液」あるいは「化粧品」などに 応用され、さらには病院・学校・研究機関などで最先端の「医薬品」「研究用」などとして使われています。
 そのほか:①一般的な消臭・脱臭剤としての応用 ②食品加工工場への応用 ③飲料水あるいは廃水への応用 ④水貯蔵システムあるいは冷却システムなどへの応用 ⑤遊泳プール・浴槽・温泉などの除菌(レジオネラ対策を含む)等への応用 ⑥バイオフィルム制御 ⑦除菌・消臭を主体としたビル・メンテナンスへの応用 ⑧工業用など
 と広範囲に応用され、使用されています。


3.水成二酸化塩素の優位性

一般物質のLD50(半数致死量)値
物質名 LD50値
二酸化塩素
20,000ppm
4,360mg/g
(ラットによる)
食卓塩
(塩化ナトリウム)
4,000mg/g
(ラットによる)
食品用防腐剤
(亜息香酸ナトリウム)
2,700mg/g
(ラットによる)
過酢酸
(酢酸:3,310kg/kg)
1,540mg/g
(ラットによる)
次亜塩素酸ソーダ
(12%)
5mg/g
(ラットによる)

 当該水成二酸化塩素製剤は、全てアメリカ合衆国の政府関係機関「環境保護庁(EPA)、食品薬品局(FDA)並びに農務省(USDA)の許認可を 受け製造・販売されている安全な製品です。
 第1項にも述べましたように水道水の消毒剤として使用されているほか、アメリカ国内では一般家庭用として「眼へのケアー製品」あるいは「口腔衛生薬」 として、また「ボランティア製品」などとしても広く利用されています。
 工業用としても様々な所で除菌剤そして制菌剤として使用されているほか、農水産物用の鮮度保持剤として、また、医療用機器の除菌剤として等々多目的な 用途に使われています。
 広範囲に亘るバクテリア、カビ類およびその他の病原菌に対する有効性が確認・立証され、容認されてきた結果であります。その除菌力・消毒力は、従来の 殺菌剤・消毒薬であるアルコール、石炭酸、逆性セッケン、クレゾール類、ハロゲン塩類、複合製剤あるいは、他の類似の二酸化塩素製品などをはるかに凌ぐ 製品であることが証明されているからです。 また水成二酸化塩素製剤は、除菌・消臭以外にも水中汚染物質であるフェノールや鉄分あるいはマンガン、または 硫化水素などを科学反応で無害化するばかりでなく、有機物質の制御に著しい効果を見ることができます。
 それのみならず、当該水成二酸化塩素製剤は安全性の面からも右記の表のように食塩よりも安全だとされています。


4.水成二酸化塩素の定義

 精製した二酸化塩素ガスを安全、且つ、効果的な除菌能力を持つCLO2水溶液として安定化した製品でその成分はCLO2-,CLO3-,HCLO3,CL2O4- 他の各種複合物(oxy-chlorine-species)よりなるものであります。 除菌に際しての働きは、「CLO2ガス1分子が消費されると平衡特性として前の分子の代替として他の分子の生成を求める」 という理論に基いています。